残存歯と健康寿命の関係

残存歯が少ないと脳のはたらきに影響が出る

「8020運動」という言葉をご存知ですか?
8020運動とは?

年齢を重ねるとともに歯が抜け落ちてしまいます。
現在、日本の80歳の高齢者の平均残存歯数は約8本と言われています。
これは北欧諸国の20本以上に比べて明らかに低い数字です。

高齢者の歯の残存数と認知症の関わり
高齢者の歯の残存数と認知症の関わり

ここで高齢者の歯の残存数と認知症との関わりを調べた研究をご紹介します。
以前、東北大学が行った研究から、高齢者の歯の残存数と認知症との間に明らかな関連があることが分かりました。
健康な人では平均14.9本の歯が残っていたのに対し、認知症の疑いのある人では9.4本と明らかに少なかったのです。
また、残っている歯が少ないほど、記憶や学習能力に関わる海馬や、意志や思考の機能を司る前頭葉の容積などが少なくなっていた事がわかりました。
この結果から、歯が無くなると、脳が刺激されなくなり、脳の働きに影響を与えてしまうという事が判明したのです。
神奈川歯科大学の研究結果では、残っている歯の数が20本以上ある人と比べて歯が無く、入れ歯も入れていない人の認知症リスクは1.9倍。
良く噛んで食べることができる人に対して、あまり噛めない人の認知症リスクは、1.5倍高くなると報告しています。

残存歯数とアルツハイマー型認知症の関係
残存数と運動能力の関わり

さらに、脳の働きと運動能力には密接な関わりがありますが、残存歯数が少ないと日常生活を送るための運動能力に支障が出ることが統計上明らかになっています。

残存歯が9本以下で、インプラント・入れ歯を使っていない人
寝たきりもしくは日常生活に介護が要る人が多い。
残存歯が9本以下で、インプラント入れ歯を使っている人
寝たきりもしくは日常生活に介護の要る人がずっと少ない。
残存歯が20本以上ある人
寝たきりはほとんどいない。
そして噛める人は寝たきりが少なく、高齢でも仕事をしている。

インプラントでも脳は刺激できる

インプラントでも脳は刺激できる

アルツハイマー型認知症の方の口の中を調べると、歯が無くなり、長い間良く噛んで食べる事が出来ていなかったと思われる人が多く見られます。
歯が無いと歯根膜が無くなるため、刺激が脳には伝わりません。
しかし、歯に代わるインプラント治療を行えば歯と同様の働きをすることが出来るのです。

ページの先頭へ戻る